【2017年8月30日 7:05 PM更新】
こんにちは!WFM Youth-Forumの袴田です。第一回目の投稿となる今回は、JICAさんのホームページの2013年に行われたイベントの記録から「グローバル人材とは何か」について考えました。
”グローバル人材”とは①
まず、政府はグローバル人材をこのように定義しています。
要素Ⅰ: 語学力・コミュニケーション能力
要素Ⅱ: 主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感
要素Ⅲ: 異文化に対する理解と日本人としてのアイデンティティー(文部科学省ホームページより)
まず、要素Ⅰを見てみましょう。そう、ここでは「特定の言語」を定義しているわけではないのです。
しかし、”グローバル人材”と言われて、皆さんは”英語が堪能な人”を思い浮かべませんでしたか?
そして、英語の他に例えばスペイン語やフランス語などを思い浮かべませんでしたか?
そう、多くの人は欧米の言語が世界のスタンダードであると無意識に捉えているのです。
”グローバルスタンダード”な言語
現在、ネイティブスピーカーの数は中国語、ヒンディー語、英語、スペイン語、アラビア語の順で存在しています。
現在世界の英語を使用する人口は17.5億人(世界の人口の25%)と言われています。
しかし、そのうちネイティブスピーカーはわずか3.9億人、つまり、英語を話す人口の22%しかいません。
また、英語を公用語として使っている国の中でも、元々自分たちの言語を持っていたにも関わらず、欧米諸国に植民地化されたことで、欧米の言語を使わなければならなくなったという国もあります。
このようなことを考えると、意外とネイティブスピーカーは少ないのかもしれません。
これから各地域での人口増加推定率を考えると、英語以外の言語が世界のスタンダードになる日もそう遠くはないのかも?
日本人としてのアイデンティティー
ここまではカタカナ文字ばかりを使ってお話をしてきましたが、、、最近は英語ばかりに目が行きがちで、日本語について考えることは少ないですよね。
私自身、大学生になってから英語の授業は必ず受講しなければならなかったのに、授業でしっかり日本語を学んだことはありません。
しかし、グローバル人材の定義の要素Ⅲ「日本人としてのアイデンティティー」を満たすためには、日本語を大事にすることも必要であると私は考えます。
英語をバリバリ使って活動しようとしている人にとっては、日本語が邪魔になることもあるかもしれません。しかし、私はその言語しか持てない、文化的特徴は必ずあると思っています。
日本語であれば、ひらがな・カタカナ・漢字があって、「ひらがなはかわいい」「漢字は真面目な感じ」と使い分けることができたりするのが面白く、魅力的だと感じます。
確かに英語を学ぶことも大事ですが、日本語について改めて考えてみるのもいかがでしょうか?
日本の若者の意識
さて、ここで今までまったくふれてこなかった、「グローバル人材の定義の要素Ⅱ」についてふれていきます。私としては、この項目が一番漠然としていて考えづらかったです。
ですが、少しデータを調べていく中で面白いデータを見つけました。
内閣府のデータ、「特集 今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの~」によると、”日本は諸外国と比べて,うまくいくかわからないことに対し意欲的に取り組むという意識が低く,つまらない,やる気が出ないと感じる若者(13歳~29歳)が多い”というのです。
これはつまり、諸外国に比べ、日本の若者はチャレンジ精神が低いということなのではないでしょうか。具体的な数値で言いますと、7か国中トップのフランスが86.1%、2位のドイツが80.5%、6位のスウェーデンが66%、そして日本はダントツ最下位の52.2%でした。
また、同データによると”日本の若者は、諸外国に比べて社会問題への関与や自身の社会参加への意識が低い、自分が社会現象を変えられると思っていない”とあります。
ここにも日本の若者の消極的な姿勢が表れているのでないかと私は考えます。
それでは、なぜ日本の若者は消極的な人が多いのでしょうか。
恐らく多くの若者は、「自分に自信がないのです。」その証拠に、”自分自身に満足している”、”自分に長所がある”の両方の項目で最下位でした。
しかし、日本の若者が消極的な姿勢なのは、決して日本に興味がないからではありません。同データには”日本の若者は諸外国と比べて自国に誇りを持っている”とも記述されており、順位も7か国中トップでした。
自国という、いわば集団には自信があるが、個人となると極端に自信を無くしてしまう日本人・・
これは、企業や大学などに代表される日本人の所属主義(大学や企業のブランドで生きてしまい、個人としての価値が見出せない状況)にも通じる話だと私は思います。
今のユース世代こそ、日本にも、個人にも誇りを持って世界に飛び出して生きたいですね!
私たち、WFM Youth-Forumでは混沌の世の中でも個人として通用する人財(WFM Youth-Forumではこちらの人財を主に使用しています)を目指し日々努力しています。
グローバル人材とは②
ここまで文部科学省のグローバル人材の定義に沿って話を進めてまいりましたが、改めて、グローバル人材とは何なのでしょうか?
確かに英語が話せることは現在のグローバル人材にとって必要不可欠な条件かもしれません。
しかし、それだけでなく、例えば引用元の記事で池上彰さんがこう記しています。
「自分の行動が周囲の役に立っていると実感できる生き方そのもの」
「自国の文化を理解し、大事にした上で、海外を巻き込んで活躍する」
上記2点もグローバル人材の条件なのではないでしょうか。
政府の定義さえも曖昧な”グローバル人材”という言葉ですが、とらえ方は人それぞれなのだと思われます。漠然とグローバル人材を目指している人はこれを機に自分が考えるグローバル人材を定義してはいかがでしょうか。
おわりに
「海外で働きたい」と考えている学生の方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。これから”グローバル人材”という言葉を耳にすることも多くなるかと思います。そんな方にこの記事を読んで、考えていただけると幸いです。
出典
JICAホームページ 「池上彰と考えるグローバル人材とは何か」https://www.jica.go.jp/topics/news/2013/20131010_01.html
The Statistics Report 「The most spoken languages worldwide (speakers and native speaker in millions)」
https://www.statista.com/statistics/266808/the-most-spoken-languages-worldwide/
内閣府ホームページ 「特集 今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの~」
http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h26gaiyou/tokushu.html
前へ:
次へ:【国連学生インターン募集】 »
カテゴリ【記事】の関連記事
(2017年9月7日更新)